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2026/4/11 [SAT]
東芝、量子コンピューターの原理を模倣した「量子インスパイアード計算機」を改良 新アルゴリズムで計算速度最大100倍・精度ほぼ100%のサムネイル画像

東芝、量子コンピューターの原理を模倣した「量子インスパイアード計算機」を改良 新アルゴリズムで計算速度最大100倍・精度ほぼ100%

東芝は2026年4月7日、量子コンピューターの原理を模倣した「量子インスパイアード計算機」に用いる新しいアルゴリズムを開発したと[発表]{target=“_blank”}した。従来手法と比べて計算速度を最大100倍に高めるとともに、解の精度もほぼ100%に向上したとしている。 同技術は、物流や製造、金融などの分野で重要となる「組み合わせ最適化問題」を高速に解くことを目的としたもの。膨大な選択肢の中から最適な組み合わせを探す問題は、問題規模が大きくなるほど計算量が急激に増えるため、効率的な計算手法の開発が課題となっている。 ## 新アルゴリズムで計算速度を最大100倍に向上 東芝が開発した新アルゴリズムは、同社が研究を進めてきた量子インスパイアード計算技術を改良したものだ。計算の探索過程を制御する手法を刷新することで、従来のアルゴリズムと比較して最大100倍の高速化を実現した。 また、最適解の精度についても改善が確認され、問題によっては解の精度がほぼ100%に達したという。高速化と高精度化を両立することで、大規模な最適化問題をより短時間で解くことが可能になるとしている。 **非線形強度パラメータに対する最適化性能。秩序とカオスの境界である「カオスの縁」で最も高い性能が得られる** ![2604-01-1.png] :::small 画像の出典:[東芝]{target=“_blank”} ::: 新アルゴリズムは「カオスの縁(edge of chaos)」と呼ばれる状態を利用する。秩序とカオスの境界にある領域では探索効率が高まることが知られており、この特性を活用することで高速かつ高精度な最適化を可能にした。 **第3世代アルゴリズム(GbSBM)と従来手法(dSBM)の計算時間比較。問題によっては最大100倍の高速化が確認された** ![2604-01-2.png] :::small 画像の出典:[東芝]{target=“_blank”} ::: ## 「量子インスパイアード計算機」とは 量子インスパイアード計算機は、量子コンピューターの計算原理を参考にしながら、通常のコンピューター上で動作する計算手法である。量子コンピューターの実用化にはまだ多くの技術的課題が残る一方で、その計算の仕組みを模倣することで、既存のコンピューターでも特定の問題を効率よく解ける可能性がある。 東芝はこれまで、物理現象の振る舞いを数理モデルとして再現する「Simulated Bifurcation Machine(SBM)」と呼ばれる量子インスパイアード計算技術を研究してきた。今回の新アルゴリズムは、この技術の探索性能をさらに高めることを目的としている。 ## 最適化問題への応用を想定 組み合わせ最適化問題は、さまざまな産業分野で発生する。例えば物流では配送ルートの最適化、製造では生産スケジュールの最適化、金融ではポートフォリオの組み合わせなどが挙げられる。 東芝は、今回開発したアルゴリズムを量子インスパイアード計算機の性能向上に活用し、こうした実社会の最適化問題への応用を進めていくとしている。 @[YouTube] :::box [関連記事:理研、144量子ビットの国産量子コンピュータ「叡-Ⅱ」運用開始 従来機の2倍超に拡張] ::: :::box [関連記事:富士通と理研、256量子ビットの超伝導量子コンピュータを開発——計算能力が従来の4倍に拡大、2026年に1000量子ビットの構築を予定] ::: :::box [関連記事:NEDO、量子コンピューター活用事例集「56のユースケース」を公開ーー量子技術の産業応用を加速へ] ::: :::box [関連記事:コーセー、量子コンピュータを活用し1,000億通り以上の成分組み合わせから毛穴への最適処方を導き出すーー世界初の量子計算「毛穴美容液オイル」を発表] ::: :::box [関連記事:量子コンピュータとAIの「リアルな現在地」から「SF的未来」へ:第一人者・大関真之教授に聞く] :::

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